安売り厳禁!商品・サービスを適正価格で売るための「値上げ戦略」

ビジネスはボランティアではありません。プロとしての価値を提供したなら、それに見合った報酬を受け取る必要があります。利益を出さないと長く続けることができませんし、より大きな価値を提供する余力もなくなってしまいます。自分自身のためにも、そして社会に貢献するためにも、しっかり利益を出すことが大切です。

そこで、この記事では、オンラインビジネスでしっかり収益化するための「価格設定」についてご説明します。ビジネスは利益を出さないと意味がないので、自信を持って値上げしてください。

目次

安売りは危険! 堂々と「適正価格」で売ろう

ビジネスを始めた当初は「利益度外視の安売り」をせざるをえないことが多いです。たとえば「モニター価格でご提供」みたいな感じで、通常の半額以下、あるいは無料で商品やサービスを提供するわけです。ほとんどタダ働きですが、その代わりに「実績」という財産が残ります。つまり「意味のある安売り」です。

一方で、自信のなさによる「思考停止の安売り」は危険です。いくら売っても楽にならないですし、むしろ売れば売るほど精神的にも経済的にも消耗してしまいます。結果、続けられなくなるのがお決まりのパターンです。

戦略的に安売りが必要な5つのケース

オンラインビジネスでは「戦略的」に、あえて安売りするケースがあります。何らかの特定の目的があって、その目的を達成するために行う「意味のある安売り」です。具体的には、次のようなケースが考えられます。

目的説明
実績作りと改善点の洗い出し実績ゼロの初心者は、利益を出すよりもまず「実績作り」を優先するのが勝ちパターン。利益度外視の低価格で販売実績を増やしつつ、顧客とのやり取りを通じて見えてくる改善点を修正していく
見込み客リストの獲得高単価商品をいきなり売るのは難しいので、先に低単価(あるいは無料)のコンテンツを提供し、信頼関係を構築するやり方。リスト(顧客情報)を取得し、メールやLINEで継続的に関係を深める
販売直後の初動ブースト施策まず利益度外視の低価格で販売し、何段階かに分けて値上げを繰り返すやり方。低価格で買った人が高評価レビューを書いてくれれば、値上げしても売れやすくなる
ニーズ調査のための試験販売市場調査を兼ねて、期間限定で低価格の商品を販売するやり方。複数のコンセプトをテストし、ターゲットユーザーの実際の反応を確認して、本命商品の本格的なプロモーションへとつなげていく
名刺代わりのコンテンツ自分に興味を持ってもらうために用意する無料(あるいは低価格)のコンテンツ。たとえば、SNSの固定ポストから受け取れるように設定しておけば、それをたまたま見た人が興味を持ってくれる可能性がある

これらはいずれも「将来的に収益化するため」に、あえて安売りするやり方です。これ自体では利益が出なくても、トータルでしっかり利益が出るようにビジネス設計されてるということになります。

逆にいうと、将来的に収益化できない安売りは、ビジネス的に間違った安売りです。最初は安売りせざるをえないかもしれませんが、いつまでも思考停止で安売りしててはビジネスになりません。今すぐ「適正価格」に引き上げていきましょう。

安売りしてしまう2大メンタルブロック

ついつい安売りしてしまう人の多くが、ビジネスに対する「マインド」の部分に問題を抱えてたりします。具体的には次の2つのメンタルブロックなんですが、もしも当てはまる場合には、まずメンタルブロックの存在を自覚して、意識的に修正してください。

メンタルブロック
自分の商品やサービスに自信がない

初心者だとしかたないとは思いますが、なんとなく弱気になってしまって、価格を上げることができないというケースがよくあります。次のようなことを思ったことはないですか?

「まだ実績も少ないし、自分なんかがこの価格で売っていいのかな…」
「誰かに文句を言われたらどうしよう」
「こんな内容にお金を払う人っているのかな?」

これ、完全にメンタルブロックがかかってます。どれも、あなたの勝手な思い込みなので、必要以上にビビらないようにしてください。

メンタルブロック
利益を得ることに抵抗感がある

ビジネス経験がなく、ずっと「消費者」として生きてきた方は、無意識的に「安いのが正義」「無料が美徳」などという価値観を持ってたりします。そのため、自分がビジネスをする側になったときも、利益を得ることに罪悪感を感じてしまうことが多いです。

「こんなことでお金をもらっていいんだろうか…」
「なんか申し訳ない」
「儲けてると思われたくない」
「金の亡者と思われたらどうしよう」
「親に知られたら怒られないかな」

もしも、こんなふうに感じることがあるなら、あなたはメンタルブロックにかかってます。消費者としてのマインドから、ビジネスパーソンとしてのマインドに切り替えてください。

「適正価格」はお客さんが決める

ひとつ覚えておいていただきたいのが「適正価格は自分勝手に判断しちゃダメ」ということです。価格はあなたが決めるわけですが、適正価格はお客さんが決めるものだからです。

・価格 → 自分で決める
・適正価格 → お客さんが決める

「適正価格」とは、ターゲットユーザーが「ここまでは払っていい」と感じる上限の価格です。人それぞれ、あるいはケース・バイ・ケースで変わってきます。

たとえば「10万円」という金額自体に「高い」も「安い」もありません。お客さんが「たしかに10万円の価値がある!」と思ってくれるなら高くないですし、逆に「ほんとに10万円の価値があるの?」っと思われるなら高いということになります。

じゃあ「20万円」ならどうなのか? 逆に「5万円」ならどうなのか?

これは自分ではわからないので、いろんな価格で実際に売ってみたり、ターゲットユーザーに直接話を聞いてみたりしながら、高いか安いかの「分岐点」を見極める必要があります。あるいは、その分岐点を引き上げるために、付加価値をつけるなどの対策が必要かもしれません。

いずれにしても、こうした試行錯誤もなしに、思考停止的に安売りするのはやめてください。適正価格はお客さんが決めるものなので、それをビジネスライクに見極めていきましょう。

適正価格で売るための値上げ戦略5ステップ

価格設定は奥深い世界で、実際のところ正解がありません。

たとえば、AさんとBさんの2人が、中身がまったく同じ「PDF教材」を販売するとして、Aさんなら1万円で売れるのに、Bさんだと100円でも売れないということがありえたりします。販売者自身の影響力によって、適正価格が変わってくるということです。

あるいは、AさんがCさんに売ったら1万円で買ってくれるのに、Dさんに売ったら5千円でしか買ってくれず、Eさんに売ったら2万円で買ってくれるといったこともありえます。つまり、ターゲットユーザーの属性によっても、適正価格は変わってしまうわけです。

さらに、こんなケースもありえます!

1万円で売ったら10人が買ってくれるとしましょう。1万円✕10人=10万円ですね。一方で、2万円で売って6人が買ってくれるとしたら、2万円✕6人=12万円になります。販売本数が少なくても、トータルの収入では上回るというわけですね。このケースだと、より適正な価格は2万円ということになります。

ですが、話はこれで終わりません。

じつはこの商品のあとに100万円のコンサルを売る予定があるとしましょう。先ほどの商品を1万円で売っていれば、このコンサルを10人にセールスすることができます。一方で、2万円で売っていれば6人にしかセールスできません。となると、本当に2万円が適正価格だったかどうかは「?」ですよね。

今のはただのサンプルですが、いずれにしても「価格設定の最適解」がどこにあるかは、上級者でも見極めが難しい問題だったりします。逆にいうと、見極めるのは無理なので、少しずつ「値上げ」しながら最適解を探っていくのが現実的な解決策といっていいかもしれません。

ということで、ここでは「適正価格で売るための値上げ戦略」を5つのステップで解説します。特に、実績のない初心者の方は、まずこの5ステップで練習してみてください。


STEP

ライバルの価格をリサーチ

まずは自分が提供しようとしている商品やサービスと似たものが、実際にいくらくらいで売られているのかを把握してください。この時点では、まだ「いくらで売るか」を決める必要はありません。相場を知ることで、自分が目指す価格帯をざっくり把握します。

具体的には各種プラットフォームをチェックしたり、ライバルが独自に売ってる商品やサービスを参考にするといいです。プラットフォームについては、関連記事があるのでそちらもご覧ください。

STEP

最低水準の価格でスタート

知名度のない初心者さんは、リサーチした相場のなかで、下限に近い価格からスタートすることをおすすめします。この段階では、利益度外視でOK。目的は「利益を出すこと」ではなく、ターゲットユーザーのリアルな反応を確認すること、自分のサービスの完成度をテストすることです。

チェックポイントとしては「コンセプト」に問題がないかどうかと、セールスの文章をわかりやすく魅力的に整えていくことの2点を意識してみてください。

STEP

見返りを求めずに最高のサービスをする

最初は利益度外視の価格で販売するわけですが、ここでよくある落とし穴が、いまいちヤル気が出ずに手抜きしてしまうケースです。タダ働きに近いので、モチベーションが上がらないわけですね。

これ、気持ちはわかるのですが、そういう姿勢だと次につながっていきません。利益が出ようと出まいと、自分を選んでくれたお客様に感謝して、きちんとしたサービスを提供することが大切です。見返りは求めずに、自分のベストを尽くすこと。これが初心者がゼロから実績を作る秘訣といえます。

ちなみに、実際にサービス提供してるなかで、いろんな「改善点」が見えてくるはずです。

たとえば…

・セールスレターや商品説明の不備
・カリキュラムやサービス内容の設計ミス
・サービス提供フローやマニュアルの穴
・お客様とのやり取りにおける時間感覚のズレ …など

これらをひとつずつ改善していき、お客さんに「買ってよかった!」「任せて正解だった!」と思ってもらえるような状態を整えましょう。こうした「初期の改善」をするのが低価格で販売する目的であり、逆にいうと、改善点が残ったまま高価格で販売したらクレームの原因になりかねないということです。

まずは利益よりも、商品やサービスを少しでも最高の状態に近づける努力をすること。ここでしっかりクオリティを上げることが、将来値上げするときの「伸びしろ」になります。

STEP

定期的に売れるようになったら値上げしてみる

実績が少しずつ増えてきて、初期の改善点もほぼ修正し終わったら、このタイミングでいよいよ「値上げ」を考えていきましょう。自分が「売りたい価格」にポンと上げてもいいですし、段階的に少しずつ上げていってもかまいません。いつまでも安売りではダメなので、勇気を出して値上げしてください。

ちなみに、値上げすると反応は一般に落ちますが、それでもポツポツ売れてるなら問題ありません。一般に、次の2つのケースが考えられます。

ケース
ポツポツ売れ続ける

販売件数が多少減っても、定期的にポツポツ売れてるならその価格でしばらくキープでOK。トータルで収益が増えていけば、ビジネス的に問題ありません。「値上げしても売れる」という感覚をつかみ、メンタルブロックを外していきましょう。

ケース
反応が激減する

値上げ後に反応が激減したなら、まだ実績が不十分だったり、セールスライティング的な改善が必要だということ。値上げするだけの「土台」が整ってないということになります。価格を少し下げて、あらためて土台作りからやっていきましょう。

いずれにしても大切なのは、結果に一喜一憂せずに、ビジネスライクにデータを分析していくこと。データ収集には一定期間かかるので、数週間から数ヶ月待つ根気強さも必要です。

STEP

販売実績をアピールしつつ、さらに値上げ

ある程度の件数を売ってきたら、それ自体が「社会的証明(※判断に迷うときに、他人の判断を参考にしようとする心理)」として機能しはじめます。実績・レビュー・お客様の声などを上手にアピールしながら「人気商品」としてのポジションを構築していきましょう。

このあたりからは、「今の自分の市場評価」に合わせて価格設定を継続的に見直していくフェーズです。商品力・影響力・ブランド力を見極めながら、適正価格を継続的に探っていきましょう。


実績がなく、知名度もない初心者が、いきなり大きな利益を出そうと思っても難しいです。まずは利益度外視の低価格で実績を増やして、自分のプロとしての実力を証明してください。

そのためには、短期目線ではなく、中長期的な目線でビジネスに取り組むこと。自分の販売者としてのステージを一段ずつ登っていきながら、値上げできるだけのブランディングをしていきましょう。専門家として市場から認知されるようになったとき、自分が売りたい価格で自由に売れるようになります。

「なるほど適正価格だ!」と納得させる3つの方法

「適正価格」は、ただ数字を並べて決めるものではありません。お客さんがその価格に納得し「価値がある」と感じてくれるかどうかがすべてです。

そして、シンプルにいえば、価格を決める要素は次の2つだけだったりします。

・お客さんが「受け取る価値」 ← お悩み解決
・お客さんが背負う「リスク」 ← お金と時間

「受け取る価値」が「リスク」を上回ると感じてもらったとき、お客さんは「なるほど適正価格だ!」と納得し、安心して購入してくれます。つまり、値上げを成功させるためには、お客さんが「受け取る価値」を高めるか、お客さんが背負う「リスク」を減らすかの2つの戦略が考えられるわけです。

ということで、お客さんに「なるほど適正価格だ!」と思ってもらうための3つの戦略について解説します。シンプルにこれだけしっかりやっていけば、値上げをスムーズに成功させることができるはずです。


戦略

価値を理解してもらう

まず大前提として、どれだけ価値がある商品でも、その価値が伝わってなければ意味がありません。商品やサービスが、お客さんのどんな悩みを解決し、どんな未来へと導いてくれるのか、お客さんの頭に映像が浮かぶくらいわかりやすく伝えましょう。

・専門用語を使わず、相手がわかる言葉で説明する
・ビフォー・アフターの変化がイメージできるように伝える
・具体的な事例やお客様の声など交えて、説得力を出す

自分では伝えてる「つもり」でも、実際にはまったく伝わってないケースが多いです。少しでもわかりやすい表現を工夫したり、大事なポイントは表現を変えて何度も伝えるなどしてください。

セールスライティングの書き方については、こちらの記事も参考になるはずです。

戦略

価値をさらに増やしていく

「受け取る価値」そのものを増やすことも大切です。たとえば「特典をつける」などは、簡単にできて効果的な方法になります。単純にボリュームを増やすというよりも、お客さんが「お得だ!」と感じる要素をじっくり考えてみてください。

たとえば…

・特典をつける(※PDFや動画など)
・サポートをつける/期間を長くする
・購入者限定コミュニティを用意する
・アフターサポートなどの「安心材料」をつける …など

こうした工夫をすることで、値上げしたとしても「もらえるもの」が増えるため、より多くの価値を受け取ったという納得感につながります。すごい特典を1つだけ用意するよりも、いろいろな切り口で複数の特典を用意してあげると喜ばれるはずです。

戦略

リスクを減らしていく

価値が十分に伝わり、お得感にも納得できたとしても、何かちょっとした「不安」が残ってると、購入ボタンを押す手が止まってしまうことがあります。そうなると「また今度にしよう…」といった先延ばしにつながってしまうので、お客さんの感じる不安を丁寧に取り除くことが大切です。

たとえば…

・返金保証(一定条件つきでもOK)
・トライアル/無料体験版/一部お試し公開
・初回限定価格/モニター価格の提示
・「途中で合わなければキャンセルOK」などの柔軟な対応

リスクがひとつずつ減っていくと、購入のハードルが一気に下がっていきます。また、こうした丁寧な対応によって「誠実さ」や「信頼感」も同時に伝えることができるため、あなた自身のブランディングにもいい影響が出てくるはずです。


お客さんに「なるほど、それならこの価格は納得できる」と思ってもらうには、単純に安くするだけではなく「価値を理解してもらい・増やし・不安を取り除く」という3方向からアプローチが重要です。この3つを丁寧に積み重ねていけば、自分の価格設定に自信が持てるようになり、堂々と「適正価格」で販売できるようになります。


※オンラインビジネスで稼ぐ「全体像」はこちらをご覧ください ↓↓↓

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