在宅ひとり起業の最大の落とし穴。それが「マンパワー不足」です。ひとりで作業していると、どうしても手が足らなくなり、ある時点で収益が頭打ちになってしまいます。そして、そのままビジネス全体が中途半端になり、右肩下がりになってしまうのがよくあるパターンです。
そんな最悪な状況を回避するにはどうすればいいのか? その答えが「自動化」です。働かなくてもビジネスが回るように仕組み化しておけば、寝てても、遊んでても収益が発生するようになります。自分の労働力という制限から解放されたとき、収益が青天井に伸びていくわけです。
そこで今回は、そんな「自動化」に欠かせない「ステップ配信シナリオ」の設計方法について解説します。信頼関係づくりからセールスまでの一連の流れをすべてお話しするので、あなたもぜひ試してみてください。
ステップ配信に盛り込むべき5つの要素
LINEやメルマガには「ステップ配信」という機能があります。これは、あらかじめ用意したシナリオを、決まった順番とタイミングで届けていく仕組みのことです。単純に情報を送るだけではなく、信頼関係を築きながら、自然にセールスへとつなげる流れを設計することが重要になります。
まずは、その流れを構成する「5つの要素」についてご説明しましょう。
自己紹介
ステップ配信の冒頭のシナリオで「自己紹介」をしてください。メルマガ等に登録してる時点で、読者はあなたの存在をいちおう認識してくれてます。ですが、どのように認識してるかは人それぞれバラツキがあるので、登録直後のタイミングで「デザインされた自己紹介」を読んでもらうわけです。
ポイント | 説明 | |
---|---|---|
経歴・背景 | どんな経験をしてきたのか?どんな苦労や転機があったのか?(共感を得る) | |
専門分野・スキル | どんな分野に強いのか?何を教えられるのか?(信頼を得る) | |
実績・成果 | どんな結果を出してきたか?具体的な数字や事例があると効果的(説得力を高める) | |
発信の目的・価値観 | どんな考え方で発信しているのか?どんな人の力になりたいのか?(読者との親和性を上げる) | |
今後のビジョン | この配信を通じて何を届けていきたいのか?読者とどんな関係を築きたいのか?(期待を持たせる) | |
パーソナルな一面 | 親しみやすさを出すことで「人間味」が加わり、より身近に感じてもらえる(必要に応じて) |
信頼構築
ステップ配信は、最終的にセールスへとつなげていくための仕組みです。そのため、まずは読者との信頼関係を築くことが欠かせません。なので、役立つ情報をしっかりと提供しながら、あなたの専門性や価値観を伝えていくこと。読者に「この人は信頼できそうだな」「考え方に共感できるな」と思ってもらえれば、あなたの発信に対する関心や好感度が一気に高まります。
ポイント | 説明 | |
---|---|---|
役立つ情報 | 読者にとって実用的・具体的な情報を届けて、「この人の発信は有益だ」と思ってもらう | |
専門的で深い知識 | 読者の疑問に的確に答えたり、一歩先の視点を示すことで、「この人はプロだ」と感じてもらう | |
価値観・世界観 | 何を大切にしているか、どんな考え方でビジネスをしているかを伝えて、「共感」を得る | |
人柄・熱意 | 丁寧な言葉づかいや、自分の失敗談・成長ストーリーなどを交えて、人間味を感じてもらう | |
一貫性のある発信 | 言ってることがブレていない・スタンスが明確という安心感が、信頼の土台になる | |
奉仕の姿勢 | 「売り込まれた」ではなく「助けてもらった」と思ってもらうことで、自然にファン化していく |
現状認識
私たちが売る商品やサービスは「お悩み解決」を目的としたものになります。お客さんの「問題」を解決してあげて、その対価としてお金を払ってもらうわけです。なお、このビジネスモデルが機能するためには、そもそも読者自身が「自分が抱えてる問題」に気づいてないといけません。現状の問題だらけな状況と、理想的な状況とのギャップに気づかせてあげることで、ビジネスチャンスが生まれます。
ポイント | 説明 | |
---|---|---|
不満・不安の言語化 | なんとなく感じている悩みを、はっきり言葉にしてあげることで「これ、自分のことだ」と思わせる | |
理想と現実のギャップ | 「本当はこうなりたいのに、今はこう…」という落差が大きいほど、行動意欲が高まる | |
問題を放置するリスク | 問題が明確でも、緊急性がないと動かない。放置リスクに気づかせることで背中を押す | |
悩みに寄り添う姿勢 | 一方的に断言するのではなく、「じつはこういう人、多いんですよね」と優しく気づかせる | |
解決方法への布石 | 「でも安心してください、解決方法があります」と希望を残すことで、離脱を防ぎ興味を継続させる |
解決方法
読者自身が「自分が抱えてる問題」に気づいたところで、すかさず「こうすれば解決できます!」という解決方法を提示します。ここで重要なのは、売り込みではなく「教育」の視点で伝えること。その結果「なるほど、そういう方法があるのか」「この人のやり方なら、自分にもできそう」といった反応を引き出せれば、希望を感じて、セールスの土台が整っていきます。
ポイント | 説明 | |
---|---|---|
問題の構造・原因 | 読者が「なぜ自分は今うまくいっていないのか?」に気づけるように導く。理解が深まると「もっと知りたい」「今こそ動くべきだ」と自発的に思えるようになる | |
問題解決の考え方 | 「こういう順番でやれば、誰でも改善できます」といったシンプルなロジックを見せる。たとえば「稼ぐ力はこの3ステップで伸ばせます。①… ②… ③…」といった具合 | |
実現可能性 | 読者のレベル感に合わせて、ハードルを下げる。たとえば「最初は完璧じゃなくてOK」「1日15分でも成果は出せます」といった具合。自分にもできそうと思ってもらう | |
体験談や成功事例 | 実例を挟むことで「説得力」「再現性」「安心感」が一気に高まる。たとえば「実際にこの方法で、週末だけの作業で月3万円稼げるようになった人もいます」といった具合 | |
セールスの予告 | セールスをスムーズにするための布石を打っておく。たとえば「この方法をもっと効率よく実践するために開発したのが〇〇です」「次回、さらに詳しい方法をお届けします」といった具合 |
セールス
ステップ配信のゴールが「セールス」です。セールスに苦手意識や罪悪感を持つ人も多いですが、相手の問題を解決してあげるわけなので、堂々とセールスしていきましょう。信頼構築がしっかりできていれば、むしろ相手から「教えてください」「助けてください」「売ってください」と言われることすらあります。売らずに売れる状況を作れたら、あなたのビジネスは成功間違いなしです。
ポイント | 説明 | |
---|---|---|
商品・サービスの価値 | この商品で、何が手に入るのか? 機能・スペックだけでなく、顧客の「未来の姿」や「変化」にフォーカスする | |
読者の悩みとの関連性 | なぜこの商品が、今のあなたに必要なのか? 自分の悩みと関係があることがわかると興味が出てくる | |
商品の特徴・内容 | 具体的にどんな商品やサービスなのか? スペックに関する情報が不明だと、買わない理由になってしまう | |
ベネフィット・メリット | 商品を手にした結果、どんないいことがあるか? プラスの変化をイメージできるようにして上げる | |
実績や信頼の裏付け | 自分や他の受講者の成果、評価、実績、信頼感を高める証拠(証言、レビュー、SNSの声など) | |
限定性・緊急性 | 特典、割引、期間限定、人数限定などの購入動機を刺激する要素。これがないと「また今度にしよう」となってしまう | |
不安の払拭 | 保証、返金対応、アフターサポートなど。顧客が感じるリスクをなるべく減らしてあげる |
ステップ配信では、これら5つの要素を意識的に盛り込みながら、具体的なシナリオを作っていきます。どれかひとつでも欠けると、うまく機能しなくなってしまうので、丁寧に設計していきましょう。シナリオがうまく決まると、無理に売り込まなくても売れる状況を作れます。
ステップ配信のシナリオ作成準備
ステップ配信のシナリオは、いきなり書き始めても、なかなかうまくいきません。なぜなら、ステップ配信の文章は1通ごとに完結するものではなく、全体でひとつのストーリーとして設計すべきものだからです。
たとえば7通のシナリオを準備するなら、7通すべてが連携して「5つの役割」を達成できるように設計する必要があります。思いつきで書き進めてしまうと、内容がとりとめもなく発散してしまったり、期待したようなセールス効果が出なかったりするので注意してください。
ということで、ここでは、誰でも効率よくシナリオ設計できるように「5つのステップ」に分けて、ステップ配信の作り方を解説していきます。順を追って進めていけば、自然と「売れる流れ」ができあがるはずです。
配信本数を決める
まずは「何本のステップ配信にするか?」を決めましょう。短かすぎると、信頼構築や教育が不十分になり、ステップ配信のメリットを活かせません。かといって、あまり長すぎても、読者が途中で飽きて離脱するリスクがあります。
自分のライティング力や扱うテーマによってベストな長さは変わりますが、初心者なら1週間分の「7本」で設計することをおすすめします。5つの役割「自己紹介・信頼構築・現状認識・解決方法・セールス」を1週間かけてゆっくり配信していけば、読者も楽しんで読んでくれるはずです。
ネタ集め①:商品・サービスの特徴
配信のゴールは「販売」なので、まずは売りたい商品の特徴を整理しましょう。ここを曖昧にしたまま書き始めると、どこかぼんやりした配信になってしまいます。
具体的には、以下のような点を明確にしておくといいでしょう。
・商品・サービスの内容 → PDF? 動画?
・提供方法 → オンライン? 対面? 期間は?
・ターゲット → 誰のためのもの?
・価格帯 → 高単価? 低価格? サブスク?
・コンセプト → どんな悩みをどう変えるのか?
この段階では、情報を「ネタ」として書き出しておくだけでOKです。自分がわかればいいだけなので、箇条書きなどで思いつくことを片っ端からメモしてください。
ネタ集め②:商品・サービスと顧客の関連性
続いて、販売したい商品やサービスが「なぜ読者にとって必要なのか?」を言語化していきます。ここでは「売り手の目線」ではなく「読み手の悩みや理想」から逆算することがポイントです。
たとえば…
・この商品は、どんな悩みや不満を解決してくれるの?
・この商品を使うと、私はどう変われるの?
・どんな未来や感情を手に入れられるの?
読者は商品やサービスそのものに興味があるわけではありません。それによって「自分がどうなれるか?」に興味があるわけです。なので、配信シナリオのなかでも、この「変化のイメージ」をしっかり伝えること。それによって、購入意欲が高まっていきます。
ネタ集め③:商品・サービスの再現性の証拠
読者が「それ、いいかも」と思っても、「でも自分にできるかな?」と不安に感じるのは当然です。そこで必要になるのが「再現性」の証拠になります。
たとえば以下のような要素をネタとして集めてください。
・あなた自身の成功体験や変化
・実際のお客様の声や事例
・わかりやすいロジック(なぜうまくいくのか)
・専門的な裏付け(参考文献、統計など)
・SNSやレビューなどの第三者の反応
こういった証拠を集めておくと、配信中に自然な形で「この方法は信頼できる」と伝えられます。
決めた配信本数でシナリオ構成を考える
最後に、これまで集めたネタをもとに、どのような構成でシナリオを組み立てていけばいいか考えます。ここで意識したいのは、読者との「関係性の段階」に合わせて伝えるということ。いきなり売り込むのではなく、読者が「この人の話、もっと聞いてみたい」と思ってくれるような演出をしながら、自然な流れでセールスにつなげていきましょう。
※シナリオの基本構成については、次のセクションでお伝えします。
ステップ配信のシナリオは、全体でかなりの文字数になるので、事前にネタをしっかり集めることが大切です。仮に1本2,000文字書くとしたら、7本だと14,000文字になります。LP(販売ページ)の文章も書く必要がありますし、ネタが十分にないと薄っぺらい文章になってしまいます。
なので、まずは腹をくくって、しっかりネタ集めをすること。少し時間をかけてでもしっかり準備することが、効果的なシナリオをスムーズに作成する秘訣といえます。
ステップ配信のシナリオ基本構成
まず大前提として、人間は本能的に「あまのじゃく」な生き物です。たとえば、親から「勉強しなさい!」と言われると、ますます勉強したくなくなりますが、これは他人から頭ごなしに指示されることで「あまのじゃく」が発動してしまってるからです。
つまり、他人を行動させるには、あまのじゃくを刺激しないような「伝え方」が必要だということ。正論で論破するようなやり方ではうまくいかないので、まずは「聞く耳」を持ってくれるように、丁寧に環境づくりをしていく必要があるわけです。
具体的には、次の3つのステップを踏んでコミュニケーションをとってください。
① エトス(信頼)
② パトス(共感)
③ ロゴス(論理) → セールス
※古代ギリシャの哲学者アリストテレスの「説得の3要素」
ステップ配信のシナリオも、この順番で設計していくと、読者は自然と警戒心を解き、こちらの提案にも前向きな姿勢で耳を傾けてくれるようになります。つまり「売り込まなくても売れる状態」が整い、セールスしても反発されなくなるわけです。
ということで、ここでは、この「エトス」→「パトス」→「ロゴス」の流れに沿ってステップ配信を設計するやり方について解説していきます。全部で「7本」のシナリオを用意するとして、具体的にみていきましょう。
エトス(信頼:Ethos)
エトスは「信頼」のエッセンスです。つまり、情報発信者が信頼できるということを示す必要があるということになります。読者が「この人の話なら聞いてみたい」と思えるように、あなた自身の人柄・実績・価値観を伝えて信頼してもらいましょう。
・どんな経験をしてきたか?
・なぜこの情報を発信してるのか?
・どんな実績や専門性があるのか?
こうした情報を、押しつけがましくなく自然な形で伝えることで、読者との距離がぐっと縮まり、いわゆる「聞く耳」を持ってもらえる状態をつくれます。
自己紹介は、ただの経歴の羅列ではなく「何に悩み、どう乗り越えてきたか」を中心に伝えていくといいです。かつては自分も読者と同じような悩みを抱えていたという事実が、共感と信頼につながるからです。人は「完璧な人」より「過去に悩んでた人」に親近感を持ちます。カッコ悪い失敗談も赤裸々に伝えれば、あなたのことを一気に信頼してくれるはずです。
あなたがこの活動を通じて「どんな人を助けたいと思っているか」を語ってください。自分のなかにある使命感・ビジョン・信念など、あなたの「人間性」や「想い」をアツく伝えるわけです。これによって、読者は「この人はホンモノだ!」と感じてくれます。この人の言葉には意味があり、それをぜひ知りたいと思ってくれるようになるわけです。
パトス(共感:Pathos)
パトスは「共感」のエッセンスです。セールスする前に、読み手の「感情」を一回動かす必要があるということになります。読者が「この人、自分のことわかってくれてる!」と感じてくれるように、相手の悩みや感情に寄り添って、共感を引き出しましょう。
・読者が感じている不安や不満を代弁
・読者にとっての理想の未来を代弁
・過去に自分が経験した悩みを赤裸々に表現
・読者に寄り添う先輩やリーダーとして演出
共感の雰囲気が生まれると、読者は無意識的に「この人の話をもっと聞きたい」という気持ちになります。こちらの提案を受け入れる準備が整っていき、無理に説得しなくても、むしろ相手から「聞かせてほしい!」という状態になっていくわけです。
読者の感情を動かすために、まずは「このままじゃマズい!」と感じるような話をしましょう。たとえば、読者が抱えてそうな「よくある悩みやモヤモヤ」を言語化して認識させたり、理想と現実のギャップに気づかせるなどです。今の自分の状況が「ヤバい!」ということに気づいた読者は、自分ごととして問題解決に真剣になりはじめます。
今の自分の状況が「ヤバい!」と認識した読者は、この状況が解決可能なのかどうか不安になってきます。そこで「解決可能です!」と伝えて、希望を持たせてあげましょう。解決の方法(考え方・仕組み・原理原則など)を教えてあげて、「なるほど、そう考えればいいのか!」という気づきを与えるわけです。ヤバい状況を抜け出せるとわかると、読者は続きが気になってしかたなくなります。
読者の感情をさらに高めるために、具体的な事例をいろいろ紹介していきましょう。自分自身が問題解決したときの話はもちろん、あなたがサポートした第三者の成功事例なども伝えてあげると説得力が増します。ポイントは「特別な人だからできた」のではなく「普通の人でもうまくいった」という安心感を与えること。自分にもできそうと思ってもらうことが大切です。
ロゴス(論理:Logos)
ロゴスは「論理」のエッセンスです。あなたの商品やサービスが、なぜ読者の問題解決に役立つのか。そこの理屈をわかりやすく説明してあげてください。エトス、パトスを順番にクリアしてきたなら、そうした理屈も興味を持って聞いてくれるはずです。
・なぜそれが必要なのか?(問題の構造)
・どうやって解決できるのか?(方法の流れ)
・どんな結果が得られるのか?(ビフォーアフター)
・その方法に再現性はあるのか?(証拠・事例)
セールスを恐れる人も多いですが、この3ステップを丁寧にやってるかぎり大丈夫です。あなたは読者と同じ側に立って、読者の悩みを真剣に解決してあげようとしています。それはむしろ、読者にとってありがたいことだからです。ぜひ、しっかりセールスして、読者の悩みを解決してあげましょう。
ここまでの内容をおさらいしつつ、セールスに向けてのワクワク感を演出してください。特に効果的なのは、ビフォー・アフターの変化をイメージさせること。「もし〇〇が解決できたら、あなたは〇〇な毎日を手に入れられます」などと、明るい未来を伝えるわけです。そのうえで「明日、あなたにとって役立つ提案をします」といえば、読者は次の配信が待ちきれなくなります。
そして、いよいよセールスです。商品やサービスの特徴・内容・購入の流れなどを具体的に伝えていきましょう。逆に、気になる部分をあえて伏せて、販売ページ(LP)に誘導してもいいです。購入期限や、特典なども伝えれば、迷ってる人の背中を押す効果が期待できます。いずれにしても、ロジカルに「なぜ今この商品が必要なのか」を説明して、納得感のあるセールスをしていきましょう。
ステップ配信は、単に情報を順番に流すだけの仕組みではありません。信頼を築き、共感を生み、納得のうえで購入してもらうための「心理的な設計図」なんです。今回ご紹介した7本の流れに沿ってシナリオを構成すれば、売り込み感を出さずに、自然と「売れる仕組み」をつくることができます。ぜひ、あなたの商品・サービスにあわせて応用してみてください!
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